革靴選びって、ムズかしい。
長く使うのでいいものが欲しいわけですが…、上を見るとキリがなさすぎる。
一生モノと呼ばれるような「コードバン（馬の革）」のクツなどは、当然のように一足10万円を超えたり…。
かといって、安いものは、すぐ痛んだり、クツ擦れを起こしてしまったり。
安いけれど、いいクツが欲しい…。
たぶん、みんなが考えてることだと思います。
そして、それを裏付けるようにここ数年でドクターマーチンが瞬く間に浸透しました。
レザーらしい、しとやかなツヤがありながら、しっかりなじんで履き心地もいい。
当時のパンクファッションブームや合わせやすさも相まって、みるみるうちに広がりました。
しかしその一方で、「浸透しすぎた」のも事実。
ドクターマーチンは品質がいいんですが、良すぎがゆえに『革靴って、とりあえずコレ買っとけばいいんでしょ？』的な状況になっています。
一昔前のニューバランスという感じで、『大学生なら、とりあえずコレ履いとけばOK!』とまで言われる事態に。（合わせやすいので、実際そうなんですが）
そこまで行ってしまうと、「人と一緒はなんとなくイヤ…」というのが天邪鬼のサガ。
『コスパが良くて、ドクターマーチンと違うものはないか…？』
そんな気持ちだった当時、ちょうど見つけたのがこのPADREでした。
前置きが長くなりましたが、今回はこの穴場革靴ブランド、KLEMANの紹介です。
KLEMAN（クレマン）「PADRE（パドレ）」
「2万以下でおすすめの革靴ないですか？」と聞かれれば、真っ先におすすめするのがこのPADRE。
わかりやすくクオリティが高く、シンプルで使いやすい一足です。
「KLEMAN」はフランスのブランドなのでトラディショナルな作りになっているんですが、
木型がぽってりとしてフォーマルすぎないので、とても使いやすい。
ベースはパラブーツなどと同じく「チロリアンシューズ」。
『雪や雨が入らないよう、一枚皮で仕上げられている』…というのがセールスポイントらしいんですが、
一番の魅力は、やっぱりそのかわいらしいフォルムですね。
ボテっとした丸みのある形で、マーチンと同じく、いろんな服装に合わせやすいです。
UNITUSなど、生地感の良いシャツでサラッと合わせるのもいいですし、
冬にはステンカラーやダッフルのコートと合わせてもキレイにまとまる。
自分はよくレザーアウターとかと合わせてます。
足元に持ってくると、重心が下にいって、まとまった雰囲気が出ます。
トラッドなんですが、作りはカジュアルになっているので合わせやすいんですよね。
そしてもう一つ語るべきが、やっぱり革質の良さ。
ソコソコ見てきた上で言いますが、2万以下で選べる革としては、間違いなく最高レベルの革質です。
滑らかな手触りと、しっとりとした革のツヤ。
しなやかで返りのいいレザーなので足馴染みもよく、1ヶ月も歩けば自分の足ピッタリになります。
見た目が近いこともあって、服屋の店員さんに「いいですね～、パラブーツ。」とか言われて、気まずくこともあるくらい。（それはそれでどうかと思いますが）
レザーって見た目も大事なんですけど、足の馴染みの良さもわりと大事なんですよ。
ガチガチのレザーって馴染むまですごく痛いので、チマメとかできるんですよね。
アレできたらマジで痛いんで、本当に気が狂いそうになりますよ…（憤慨）
そういう点でも、クレマンは傷みにくいし履きやすいし、「～2万円」なら頭一つ抜けてますね。
なにがすごいって、クレマンは作りもすべて「Made in France」になっています。（『この値段で…？』って感じですよね）
もちろん、メイドインフランスならなんでもいいのかと言えば、そうではありません。
「どこの国？」というよりかは「どこの工場？」というほうが大事で。
実際、「Made in China」にあまりよくないイメージを持ってる方は多いと思いますが（それも、もはや過去の話ですが…）
中国でも技術力の高い工場さんはたくさんありますしね。
自分がクレマンに対して「すごい」と感じたのは、ちゃんと細部まできちんと作られていること。
縫い目など、わりと細かいトコ見ても、すごくキレイな縫い目になってます。
「縫製＝丈夫さ」に直結するので、わりと大事な部分ですが、すごく丁寧にできてる。
名ばかりでなく、きちんと「メイドインフランス」と納得させてくれるクオリティ。ココが本当にすごいなと。
実はKLEMANはもともと、フランスの公営シューズメーカー。
国の委託でを革靴を製造していました。
要はコストパフォーマンスを国からお願いされてやってるようなものなので、価格崩壊級のコスパが出せるというわけです。
革質はもちろんですし、細部まで徹底的に作られてます。
自分は2年ほど履いてますが、これだけコスパ良いブランドはマジでないので、ぜひ一回履いてみてほしいですね。
最近はそのクオリティの高さからフツフツと人気が出ていますが、まだドクターマーチンほど被りもありません。
トラッド、古着、ワークetc…間口が広く、いろんな服と合わせやすいので、「安くて品質が良くて、ドクターマーチン以外の革靴を！」という人は、候補に入れてみてはどうでしょうか。
KLEMAN PADREのサイズ感
最後に、サイズ感について。
サイズは、普段のスニーカーの1~2サイズダウンがおすすめです。
もう、最初は『キツい！』と感じるくらいのほうが、後でなじんだときに見た目も履き心地もよくなります。
僕はこれが初革靴だったので、加減がわからずブカブカになりました。
絶対に同じ過ちをを繰り返さないで….。
普段サイズ：
ニューバランス 26.5cm
ナイキ 26cm
ビジネスシューズ 25cm
で、40サイズがジャストでした。僕は加減がわからず41を買いましたが…。
とりあえず、『普段の1~2サイズダウン』がおすすめです。
また、最近はネットで買うのもおすすめ。
ちょっと前までは「革靴は実店舗で試着してから買う」というのが常識でしたが、
アマゾンや楽天の返品制度ができてからは、ネット試着も気楽でいいです。
店員さんの顔伺わなくていいし、ゆっくり試着できますし。
革靴って、最初ミスるとあとあと後悔しがちなので、ぜひじっくり悩んでください。
というわけで、今回はおしまい。
お読みいただきありがとうございました✊
