今回は、古着の定番アイテム「ラルフローレンのスウェット」について紹介します。
『今さら…』って感じですが。
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これです。
古着の定番、10000億人くらいの人が見たことあるんじゃないでしょうか。
しかし、実際に着てる人はそんなにおらず。
『着てるやつはいるんじゃない?いや、俺は持ってないけど』という、逆・関西人家に一個タコや焼き機ある状態。
カウントしたら全然着てないんですよ。
そもそも、ラルフのスウェットってかわいいイメージが強いと思うんですね。
(古着mixでよく使わるからだと思いますが)
まあ実際そうで。
おっきなボディに、まるみのあるシルエット、おちゃめなポロマークなど、クマさん人形みたいなかわいさがあります。
そもそもアイビーリーグっていう、由緒正しい名門大学に愛されたバックボーンがあるんですが、
そもそものアイビーファッションがポップに寄っている感じがありますし。
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ただ。
今回紹介したいのは、「かわいいだけじゃないラルフ」。
しかも、ガゼットありのラルフを古着で。
かわいいだけじゃない、ラルフローレンの新しい価値を再考したい。
ポロラルフローレン ロゴスウェット
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SIZE:L ( 165㎝ 53kg )
COLOR:NAVY
PRICE:¥4320-
シンプルなネイビーのボディに、胸元にチョコっとあるポロマーク。
くたびれた生地感が、とくに素晴らしい。
人によっては受け付けない美しさかもしれませんが、いや、美しいんですよ。
まずはディティールから紹介していきます。
首元のVガゼット
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ガゼットとは、この首のチョコッとマークのことです。
ヴィンテージにみられるディティールで、首元が縮まないように付けられていました。
ただ、今は技術が向上したのであんまり見かけません。レアです。
もし付けられるとしたら、最近はデザイン目的で付けられることが多いですね。
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最近は「脱シンプル」ということでプリントスウェットが増えてきましたが、
さりげなく主張するならガゼットもいいかなと。
シンプル過ぎず、かといって派手過ぎず。
着るとちょうどいい感じになるので、おすすめです。
くたびれた生地感
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年月を経て、毛羽立って、くたくたの生地感。
古着スウェットというと有名なリバースウィーブ。
これは生地がヨコに編まれており、縮みがすくなく丈夫なのが特徴。
他と比べて色ぬけも少ないです。
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に対して、かなり順当なのがラルフローレン。
タテ編みなので縮みますし、編み目もゆったりなので、めちゃくちゃ毛羽だってます。
ただ、個人的にこれはこれで好きで……..。
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こんな風に、ところどころ色が抜けて、まだらになってるんですよ。
ヴィンテージの「ナス紺」と呼ばれるほどじゃないんですが、この退色したネイビーがかっこいい!
ラルフローレンってとくに「かわいい」ことばかり注目されますが、しっかり古着の良さを内包していて。
在庫数が多いがゆえに、クッタクタになるまで使われた物が多いんですね。
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この毛羽だって、色が抜けて…、古着らしい絶妙ないなたさ…。
「かわいいよね」の一言で片づけられない、ほの暗さ…。
そこがいいですよ、古着のラルフローレン。
うらびれた美しさ 経年変化が生む美とは?
経年変化。
「服を着こんでいくことで、生地やシルエットが変化していく」というもの。
もとはビンテージの世界のお話で、キレイに色落ちしたデニムが美しい、ということから派生していきました。
この「経年変化」の魅力って2つあると思うんですね。
一つは、デニムを始めとして、自分の体に沿って縮んだり、キレイに色が落ちていくこと。
何年も履くことで、自分だけの服に育っていく、というような「育てる魅力」ですね。
A.P.Cのデニムなんかを始めとして、リジットデニムはとくにそういうのが感じられていいですよね。
2つ目は、すれていくこと。
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着ていくごとに、生地がすれて、毛羽だって、くたくたになって…。
一般的にはマイナスイメージなことで、着てたら親に「ちゃんとした服着たほうがいい」みたいなこと言われることもあるんですが、
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世の中には、退廃的なものの美しさもあると思うんですね。
ブランドで例をあげると、マルジェラの再構築スウェットとか。
これは脱構築的な、新しい価値を付加するという意図もあると思うんですが、
同様に、くたびれているから感じる美しさもあると思います。
ぼろぼろになった建築物や、寂びた鉄骨にある、うらびれた美しさ。
一般的には「違う」と思われている物の良さ。
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ラルフのくたくたスウェットくんにも、そういうところがあるかなと。
毛羽だって、生地も荒れて、退色して、だからこそ美しい。
王道的ではないんですが、それがいい。
オタクはこういう捻くれた美しさに弱い。
古着なので値段もかなり安く、4000円くらいが買えちゃいますし、
生地も厚めなので、これからの季節もガシガシ使えます。
自分と同様、こういう美しさに反応する人にはおすすめです。